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覚悟はいいか

台詞総数:34  キャラクター数:2名

王子
台詞数:17 / 我侭。
従者
台詞数:11 / 男装の少女従者。
No./キャラ
台詞、備考
001 王子
「新しい護衛をつけると聞いていたから、どんな屈強な男が来るのかと思っていたら……」
002 従者
「私ではご不満ですか」
003 王子
「まさか女の子が来るとはね。それも年下とは、随分なめられたものだ。侍女の間違いじゃないのかい」
004 従者
「ハウスキーパーに命じられた通りです。一般教養は仕込まれております」
005 王子
「作法、教養、度胸、性格、行動力、全てをかねそなえた完全無欠の完璧超人を期待していたわけではないけど」
006 従者
「ナイフは得意です。体格で劣るとしても、私にはあらゆる手段を用いる用意があります。ご心配ならご覧になりますか」
007 王子
「そういうわけじゃないんだけど、てっきり年上が来るものだとばかり思っていたから、拍子抜けしたな」
008 従者
「私は王子をお守りせよと命じられただけです。どうしてもと仰るのでしたら、私ではなく……」
009 王子
「いや、いいよ。暫く様子を見る。面白そうだから。それでも気に入らなかったら遠慮なく言うから、そのつもりで」
010 従者
「恐縮です」
011 王子
「……少しは笑ったらどうかな、元は良さそうなのに台無しだ」
012 従者
「生憎作り笑顔は苦手なので、そのような無理は致しません」
013 王子
「可愛げがないなあ」
014 従者
「結構です。私にとって一番大切なのは、主をお守りできるかどうかだけですから」
015 王子
「その主になる僕が、勿体無いと言っているんだ」
016 従者
「善処します」
017 王子
「ああ、でも無理に笑わなくていい。無理難題を要求して悪戯にいたぶる趣味はないつもりだから」
018 従者
「どのような意図で仰られたのか理解致しかねます」
019 王子
「ちょっとしたジョークで微笑まないのは反則だろう? そういう時に無表情でいなければ良いだけだよ。あんまりヘラヘラされても不安になるからね」
020 従者
「無表情というのは実力を秘匿する術でも御座いますが」
021 王子
「そういうのは、元が軽い奴がやるから効果があるんだよ。君には向いてない。常に笑顔でいろというのも酷だろう」
022 従者
「では、そのように」
023 王子
「あと先に言っておくけれど、僕は相当我侭だ」
024 従者
「聞き及んでいます」
025 王子
「危険な事に首を突っ込むのも大好きだ」
026 従者
「覚悟の上です。命を賭してお止めするのも従者の務めです」
027 王子
「では僕を守れぬようなら死んでしまっても構わないと?」
028 従者
「いいえ、貴方をお守りする事で結果的に死んでしまうとしても、私にとって悔いは残らないというだけです」
029 王子
「なかなかの覚悟だ、気に入った」
030 従者
「貴方のなさる事に疑問を抱くつもりもありません」
031 王子
「それは頼もしい。だけどとても危ういな」
032 従者
「貴方を諌めるのは私の役目ではありません。私は貴方の手足となるだけです。誓約を受けて頂けますか」
033 王子
「良いだろう――そうそう、呼んだら必ず来ること。きっと君が僕を呼ぶ事になるだろうけどね」
034 従者
「命ぜられるままに」

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