SCRIPT:SEASON

ジャック・オー・ランタン

台詞総数:39  キャラクター数:4名

少年
台詞数:14 / 行事好きで無駄に行事に詳しい。明るく社交的。
女性
台詞数:10 / 落ち着いた雰囲気の近所のお姉さん。
ウィル
台詞数:8 / 鍛冶屋の男。口が悪く素行が悪い。
悪魔
台詞数:8 / 礼儀正しく紳士的。ウィルに同情を見せる。
No./キャラ
台詞、備考
001 少年
「お菓子をくれなきゃ悪戯するぞー」
002 女性
「……何やってんの?」
003 少年
「ハロウィンだよハロウィン、オール・ハロウズの前だって」
※オール・ハロウズ=11/1の諸聖人の日。
004 女性
「ああ、忘れてた。それでお菓子」
005 少年
「任せろ、くれても悪戯してやるけどなー。っていうわけでお菓子くれ」
006 女性
「切らしてるから小銭でいい?」
007 少年
「そんな殺生な。っていうか雰囲気殺しだな、それ」
008 女性
「ハロウィンなんつったって、所詮お盆でしょお盆。どうせ5日もすればガイ・フォークスナイトが来るんだし」
009 少年
「あー、花火連発で流石に耳痛くなるよねー……つかなんて夢のない。んじゃ、これの由来知ってる?」
塀の上にどんとカボチャのランタンを置いて、にまりと笑む。
010 女性
「これ、って"ジャック・オー・ランタン"?」
011 少年
「そうそう。カボチャのランタン一つで、結構おかしな方向に話が広がってるんだよねー」
012 女性
「……へえ?」
013 少年
「ジャック・オー・ランタン。カボチャのお化けのこと。昔、ウィルという名前の鍛冶屋がいた」※ナレーション
014 少年
「彼は大変口汚く狡賢かった。彼が死んだ時、死者の門番聖ペテロを騙し、生き返った」※ナレーション
015 少年
「しかし彼が次に死んだ時、彼はどこへ行く事も出来なかった――ペテロが許さなかったので」※ナレーション
016 ウィル
「なんだァ? ここは。何もないじゃねえか」
017 悪魔
「天国でも地獄でもない、狭間の空間」
018 ウィル
「どちらでもない? どういう意味だ」
019 悪魔
「ペテロが申したじゃあ、ありませんか。天国へ行く事も、地獄へ行く事もまかり通らぬと」
020 ウィル
「どういう意味だと聞いている」
021 悪魔
「そのままの意味ですよ。貴方はどちらへ行く事も許されず、ここに取り残されてしまった」
022 ウィル
「ふざけるな!」
激昂するが悪魔は動じない。悪魔は闇の中へ姿を消し、ウィルは慌てて手を伸ばした。
023 ウィル
「おい、待て! ……くそッ」
捕える事が出来ず、とぼとぼ歩き出す。
024 悪魔
「歩き始めますか。この出口は私達のような者でなければ見つけられないと言うのに」予想外の行動に少し感心した様子で。
暫く歩いたところでウィルは地面に倒れ込んだ。
025 ウィル
「畜生……!」
拳を握り締めて苦悶の呻きを挙げる。
見かねた様子で悪魔は彼の頭上に歩み寄り、屈んで顔を覗き込んだ。
026 悪魔
「悔いてますか」
027 ウィル
「ああ、当然だ」
028 悪魔
「宜しい。ならば貴方に一つ手土産を」
029 ウィル
「それは……」
見た事のない物に驚きを隠せず、声を上げる。
030 悪魔
「これは地獄の劫火。持って行かれると役に立つでしょう」
悪魔は薄く笑みを浮かべて、ウィルに種火を手渡した。
031 少年
「その種火たねびがウィル・オー・ザ・ウィスプって言われる物でー。人魂みたいな光のことなんだけど、時々ウィルみたいな人が彷徨ってるんだね」
032 女性
「種火のウィル? 流石の悪魔も同情したってわけね」
033 少年
「あ、今見えたね。ああいう、すーって消える不思議な光の事言うんだよ」
034 女性
「……アレは車のテールランプじゃないの?」
035 少年
「それにしちゃ、動きおかしいすぎでしょ。ジャック・オー・ランタンっていう名前の方が浸透してるみたいだけど」
036 女性
「ふうん……分かった。その知識に免じて、お菓子の一つくらいくれてやっても良いな」
037 少年
「マジで! でも一つって何かケチ臭い!」
038 女性
「よし、お前には菓子ゼロだ」
039 少年
「待った――! 冗談です! 冗談ですからー! 御免なさい、お菓子くださーいー」

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